オミクロン モーリス・ルイス

オミクロン

モーリス・ルイス 《オミクロン》 1960年 アクリル,カンヴァス 262.3×412.1cm

作品解説

モーリス・ルイスは、アメリカの抽象表現主義、なかでもカラーフィールド・ペインティングと呼ばれる傾向の作家として知られています。 現在残されている彼の作品の多くは、カンヴァスに薄く溶いた絵具をしみこませる「ステイニング」という技法で描かれており、晩年の10年ほどの間に制作されました。 《オミクロン》は、(旗などが)ひるがえった、という意味の「アンファールド(Unfurled)」と名付けられたシリーズの1点で、彼のために画材メーカーが特別に調整した絵具によって描かれました。 画面の左右端から斜め下に向かって流れるような色の帯がこのシリーズの特徴をよく表しています。右が原色に近く、左側はやや濁った色彩が、中央の大きな余白を挟んで響きあう本作品は、 カラーフィールド(色彩によって創出される場)と呼ぶにふさわしい作品となっています。

作家紹介

モーリス・ルイス Morris Louis 1912–1962

1912年、ボルティモア(アメリカ)に生まれる。メリーランド美術工芸研究所で学んだ後、ニューヨークでの活動を経てワシントンD.C.を拠点とする。 1953年、ヘレン・フランケンサーラーの作品に衝撃を受け、それまでの作品を破棄する。その後、絵具をカンヴァスに層状にしみこませた「ヴェール」と呼ばれるシリーズを制作。 一時厚塗りの作品を試みるも1957年には「ヴェール」シリーズを再開。1960年より「アンファールド」シリーズを開始、翌年には直線状の色面が並列する「ストライプ」のシリーズに移行する。 1962年、肺癌と診断され手術を受けるが、その後2か月余りで死去。遺された作品は死後もアメリカ各地の美術館や画廊での展示が続き、画家としての評価を確立した。

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