シメール 今井俊満

シメール

今井俊満 《シメール》1960年(昭和35) 油彩,カンヴァス 200.0×300.0cm

作品解説

今井俊満は24歳の時に単身パリに渡り、1950年代半ばには、「アンフォルメル」(非定形などと訳されます)という最前衛の美術運動に参加して世界のトップランナーの1人として活躍しました。本作品は1960年(昭和35年)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(世界的な現代美術展)に日本代表として参加した際に出品された作品です。巨大な画面上で、筆を使わず絵具を直接カンヴァスに滴らせる技法を用い、重厚で複雑な力強い画面を作りだしています。作品はアンフォルメルらしい物質感、自由な発想、生命感を持ち、この時代の今井の特徴がよく出ています。作者はこの後も「絵筆を使わずに描く」方法は継続させながら、一つのスタイルに安住することなく作風を変化させ、その芸術的な探求心と旺盛な創作意欲は、死の直前まで衰えませんでした。なおタイトルの《シメール》(フランス語)はキマイラ(キメラ)とも呼ばれる獅子頭・羊胴・毒蛇の尾を持つ想像上の動物のことです。

作家紹介

今井俊満 IMAI Toshimitsu 1928–2002

1928年(昭和3)、京都・嵐山に生まれ、幼少期を大阪で過ごす。旧制武蔵高等学校を卒業後、東京藝術大学美術学部に派遣学生として1年間学ぶ。1952年(昭和27)、渡仏し、パリを拠点に活動。前衛美術運動「アンフォルメル」に参加する。1983年(昭和58)、「花鳥風月」シリーズを開始、作風が大きく変化する。1995年(平成7)、「広島」シリーズに着手。2001–2002年(平成13–14)、約180点の作品を大阪市に寄贈。2002年東京にて73歳で死去。第1回パリ青年ビエンナーレ、第30回ヴェネツィア・ビエンナーレ、第7回サンパウロ・ビエンナーレに日本代表として参加するなど、国内外での個展・グループ展多数。

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