森村泰昌 美術史の娘(劇場A)

美術史の娘(劇場A)

森村泰昌 《美術史の娘(劇場A)》1989年(昭和64・平成元) カラー写真プリントに透明メディウム 180.0×246.0cm(画面サイズ)

作品解説

大阪出身・在住で、日本の代表的な現代美術家の一人である森村は、1980年代半ばから、名画の中に自分が登場する作品を発表して注目を浴びました。それは単なるいたずら心や思いつきの産物ではなく、作品の解釈もまた作品になりうるという考えのもと、作品に対する見方・考え方や、美術史上の名画が経てきた歴史などが暗示的に表現された作品となっています。マネの代表作の一つ《フォリー=ベルジェールの酒場》をもとにした本作品でも、単に画中の登場人物の顔が森村自身の顔になっているだけではなく、中央の女性の、もとの絵に描かれた腕が不自然に長いことを強調するかのように胸の前で組まれた森村自身の腕や、男性の欲望と女性の社会的立場を暗示するような右端の紳士の視線など、さまざまな要素が画面に盛り込まれたものになっています。

作家紹介

森村泰昌 MORIMURA Yasumasa 1951–

1951年(昭和26)、大阪に生まれる。1978年(昭和53)、京都市立芸術大学美術学部卒業。1985年(昭和60)、《肖像(ファン・ゴッホ)》を発表、写真によるセルフ・ポートレイト手法による表現を開始。1988年(昭和63)、第43回ヴェネツィア・ビエンナーレ(アペルト)に出品。以後、国内および海外での個展、国際展に多数出品。「美術史シリーズ」、「女優シリーズ」などを手掛けるほか、映画や芝居、パフォーマンスにも参加、著作も多い。2010年(平成22)より東京都写真美術館他にて「森村泰昌 なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術」展を開催。

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