街路の力 ウンベルト・ボッチョーニ

街路の力

ウンベルト・ボッチョーニ 《街路の力》1911年 油彩,カンヴァス 99.5×80.5cm

作品解説

1909年に幕を開けた未来主義は、キュビスム(立体主義)、フォーヴィスム(野獣派)とともに20世紀初頭の美術に変革をもたらす重要な原動力となりました。ボッチョーニやカッラなど未来派の芸術家たちは、旧い時代の美意識を否定し、科学技術の進歩による機械文明がもたらすダイナミズムを礼賛しました。人工光が射る都会の喧騒や、当時は新しかった路面電車のスピード感を描く《街路の力》は、まさに未来主義の理論を絵にしています。画面はキュビスムの手法のように分割した幾何学的な形で構成され、紫を基調とした繊細な色調は画家としての卓越した技量を示します。未来主義は、美術だけではなく文学、音楽、演劇などでも実践され、近代国家へと生まれ変わる時代に人々の考えや生活に影響を与えました。

作家紹介

ウンベルト・ボッチョーニ Umberto Boccioni 1882–1916

1882年、イタリアのレッジョ・カラブリアに生まれる。1901年、ローマでセヴェリーニとともにバッラの影響を受ける。1906年、パリ、ロシア、東欧に滞在し、翌年ミラノに定住。1909年からマリネッティと交友。1910年、「未来主義画家宣言」、「未来主義絵画技術宣言」にバッラと共同署名、1914年まで未来派の理論の中心的担い手として活動。1911年、カッラとパリに赴き、キュビスムに刺戟される。1912年、「未来主義彫刻技術宣言」を発表、翌年パリで彫刻個展。1915年、第一次大戦に従軍。1916年8月、演習中の落馬が原因でヴェローナにて33歳で死去。

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